教養・仕事

【全力簿記!】至難の簿記2級、徹底攻略編

こんにちは、那由他です。
今回は日商簿記2級合格に向けての話をします。

私は2021年、コロナショックの影響で急遽、紙試験とは
別に設けられた、ネット試験を受験し合格しました。

もともと紙の試験を受けるつもりで勉強していた
私の経験を踏まえ、具体的な合格への道のりを
以下の通り、お話したいと思います。

簿記2級 合格までの道のり
  • 教材の選択
  • 簿記2級の勉強開始
  • 答練・過去問演習
  • ネット試験の情報収集
  • 直前期〜試験前日
  • 試験当日

最初に言っておきますが、簿記2級は3級と違って
新たに工業簿記が試験範囲に加わり、勉強量も難易度も
めちゃくちゃ上がります。
合格を目指すなら、全身全霊全力で取り組む覚悟が
必要となります。

簿記2級はそれだけ社会的に価値があり、2級レベルの
知識を習得するだけでも実務に役立ちますし、何より
自分自身の大きな成長を実感できる素晴らしい資格です。

今回の内容で、簿記未学習者や3級保持者の人が
2級合格に向けてチャレンジしたいと思ってもらえると幸いです。

教材の選択

まずは教材の選択です。
私は通信講座のクレアールを鬼の如く推します。

私は2020年に3級から学習を開始しましたが、
実は市販のテキストを購入して独学を試み、失敗しました。

ちょうどその時、YouTube動画「リベラルアーツ大学」でクレアールを
推奨していて、簿記の本質からしっかり学べるという点を聞いて
私はクレアールの受講を決めました。

ちなみに一言アドバイスですが、未学習者は3級をすっ飛ばして
いきなり2級から学習するのは全くお勧めしません。
内容の意味が全然わからなくなって挫折する可能性が高いです。
3級保持者であってもブランクが長く、知識が覚束ないのであれば、
もう一度3級から見直すことを推奨します。

結論から言って、クレアールの山田先生は神授業をしてくれます。
3級では最初の結構な時間を使って簿記の本質について教えてくれました。
2級ももちろん商業、工業簿記ともに山田先生が講義を担当しています。

山田先生は独特の話し方が面白く、少しぽっちゃりの先生で
慣れると次第にゆるキャラのような可愛さを感じてきます。
ちょこちょこ解説中に計算を間違えたり、
講義の音声にやたらガサガサ音が入っている時に、よく見たら先生が
ピンマイクコードを癖でイジイジしてたのが原因だったり、
どことなく人間味を感じて癒されます笑。

簿記の計算でたまに数学的な要素を必要とすることがありますが、
数学が全く苦手な人のために計算方法を1から丁寧に教えてくれるなど、
とにかく生徒のことを真剣に考えてくれる素敵な先生です。

講義内容でわからない所があれば電話やメールなどで質問を受け付けています。
しかし、電話は有料になりますので質問はメールがお勧めです。
試験範囲が変更したらちゃんと補講を後日をしてくれるので安心です。
そして、受講したら合格目標月からプラス1年間は保証期間で
講義を引き続き視聴することが可能です。
保証期間後も勉強したいのであれば、オプションDVD(有料)を検討しましょう。

そして、私が実際に受けてみて感じたデメリットもお話します。
テキストが古いためか正直、内容が分かりづらいです。
そこで山田先生は独自にスライド資料を作成し、それを中心に講義してくれます。
スライド資料はボリュームがあるので印刷するのは大変ですし、
テキストに書き写すのも大変でした。

オプション答練資料を申し込んでいれば講義資料、答練、模擬試験を
都度郵送してくれます。有料ではありますが、
こちらの方がかなり手間を省けるので強くお勧めします。

また、クレアールの問題集だけでは本試験レベルには不十分です。
答練、模擬試験は本試験あるいはそれ以上の難易度なので、
こちらも受けておくことを強くお勧めします。
それ以外に補足で勉強する方法については後述します。

●未学習者にお勧めのプラン

「3級パック」→「2級パック」または「3級・2級マスター」
※ともにオプション答練資料をつけるのがお勧め

●3級保持者にお勧めのプラン

「2級パック」
※オプション答練資料をつけるのがお勧め

いずれのプランも早期申し込みで割引があります。
早く申し込めば安くなりますので、学習開始時期についてご検討ください。

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簿記2級の勉強開始

ここからは簿記3級に合格したという前提でお話します。
いよいよ簿記2級の勉強開始です。長い旅になりますが、
負けずに立ち向かっていきましょう。

2級を勉強する上での永遠のテーマとして、
商業簿記と工業簿記、どっちを先にやったらええねん問題が発生します。
これには諸説ありますが、個人的には両方同時進行で学習することをお勧めします。

どちらも範囲が広いため、商業簿記だけ先にやって工業簿記を後からやると
工業簿記が終わった頃には商業簿記を忘れてしまう、逆もまた然り。
そんな感じで悪循環に陥ってしまいます。

商業簿記の役務収益の分野でも「仕掛品」といった
工業簿記の単語が出てきたり、工業簿記の製造原価報告書作成においても
商業簿記2級の範囲の損益計算書の要素が出てきたり、
相互に絡み合う場合もあります。
相乗効果を図る上でも両方同時進行を勧めます。

また、工業簿記は3級では全く出てこなかった新しい分野です。
工場に関する謎の用語から謎の図形まで出てきますので、
初めて見た時、ヤバいのに手を出してしまったと感じると思います。
早目に免疫を付けておくようにしましょう。

そして、2級攻略に向けた最大のポイントを紹介します。
工業簿記を9割〜満点取ることです。とにかく本番では
工業簿記を制することを意識してください。

簿記2級は商業簿記が60点、工業簿記が40点で構成されています。
商業簿記はたまに、非常にクセが強い奇問難問が出る場合があります。
それに比べて工業簿記は比較的難易度が安定している傾向にあります。

仮に商業簿記で失敗して半分の30点しか解けなかったとしても極端な話、
工業簿記で満点の40点を取ることができれば合格点の70点に達します。
工業簿記は最初取っ付きにくいかもしれませんが、得点源にできるのです。
本当に大事なポイントなのでもう一度言います。
工業簿記を制することを意識してください。

もちろん商業簿記でも点数を稼がなければいけません。
後述しますが、第1問の仕訳問題は落とさないよう意識しましょう。

そして商業簿記の山は大きく分けて4つです。
財務諸表作成、本支店会計、連結会計、製造業会計です。
これらは本当にしんどいので心してかかりましょう。

私が実際に行った勉強法は、講義動画を見た翌日、
同じ動画を1.5倍速で見るようにしていました。
難易度が高いので一度で講義内容を理解できないことはよくあります。
わからなければ何度も見ればいいんです。
そうして理解を深めていくようにしていました。

当然、見るだけではなく実際に仕訳やボックスなどを
何度も書いて、体で覚えることも意識しました。
テキストをある程度進めたら問題集を解いていく、
ひたすらそれの繰り返しです。
範囲は広く長時間に渡りますが、継続できるよう頑張っていきましょう。

答練・過去問演習

一通りの学習を終えたら答練や過去問に進みましょう。
クレアールの答練と模擬試験は本試験またはそれ以上のレベルで
かなり難しいですが、確実に押さえるようにしましょう。

最初は解けなくても構いませんし、全く気にすることもありません。
解答や解説動画を何度も見てやり方を覚えていきましょう。
問題や解き方を理解することも意識してください。
簿記2級は回り道はありますが、残念ながら近道はありません。
地道に、真っ直ぐに解き続けてレベルを上げていきましょう。

クレアールでは152〜157回の旧制度の過去問を
配布していますのでこちらも解いておくことをお勧めします。
今、簿記2級は制度が変わって難易度が安定している傾向に
ありますが、旧制度の難易度は超絶難しいです。
153回の連結会計に至っては解けなくてもいいですし、見なくても構いません笑。
こちらの解説動画はありませんが、YouTubeで解答速報の動画があり、
山田先生が解説していますのでそちらを見るようにして下さい。

旧制度の紙試験レベルに慣れておけば
本番はだいぶ気持ちが楽になると思いますが、
あまりの難しさに心が折れてしまうかもしれないので、
深追いしないようにご注意ください。

そして、今ある教材ではまだわからない、不安だという時に
私がしたのは、他の教材で補足したということです。
一般的に複数の教材に手を出してはいけないと言われていますが、
どうしてもわからないものは、仕方が無いからいいんです。

ただし、気をつけて欲しいのは他の教材の問題を
全部やろうとしないこと、これを意識してください。
他の教材で解くのは現時点でわからない部分だけにとどめて下さい。
全部やろうとするとキャパを超えてします可能性があります。

お勧め教材はTACの「合格トレーニング」です。
工業簿記の標準原価計算と直接原価計算がどうしてもよくわからなくて、
合格トレーニングでその分野だけ解くようにしていました。
一本取られた、と思うような良問が多い印象があります。

もっと本試験レベルの教材が欲しいということであれば
TACの「合格するための本試験問題集」を見ておいても
いいかもしれません。

ネット試験の情報収集

今の日商簿記3級と2級試験は紙試験と
ネット試験の2種類で受験できます。
それぞれ特徴があるので把握しておきましょう。

紙試験とネット試験 比較

●紙試験
・従来通り、毎年6月・11月・2月の年3回実施。
・持参するもの
→受験票、身分証明書、マスク、電卓(そろばん可)、筆記用具
・受験料 2級…4,720円(税込) 3級…2,850円(税込)
・試験時間 2級…90分 3級…60分
・合格点 2級、3級ともに70点

●ネット試験
・各都道府県のテストセンターで好きな日に予約可能。
※予約はすぐ埋まるので早目にすること。
・持参するもの
→身分証明書、マスク、電卓(そろばん不可)
※会場が用意したボールペンしか使えない。
・受験料 2級…4,720円(税込) 3級…2,850円(税込)
・試験時間 2級…90分 3級…60分
・合格点 2級、3級ともに70点

私はネット試験を受験しましたが、以下の4点に注意して欲しいです。

  • 問題用紙に仕訳を直接書き込めない。
  • 試験ではボールペンしか使用できない。
  • 数字の入力はカンマや円を入れたら不正解扱い。
  • 借方・貸方ともに一つの仕訳で入れられる勘定科目は一つ

●問題用紙に仕訳を直接書き込めない。
問題は全てパソコン上に表示されるため、紙試験のように
問題用紙に直接書き込む手法ができません。
簡単でもいいので仕訳をメモに書き込む練習をしておきましょう。

●試験ではボールペンしか使用できない。
試験当日は会場が用意したボールペンしか使用できません。
こちらが用意した使い慣れたボールペンを使用するのも不可です。
ボールペンでメモを書く練習をするのと、
大問ごとにメモを使用するスペースを事前に決めておきましょう。
また、試験当日は開始する前にインクが切れてないか、
必ずチェックするようにして下さい。

●数字の入力はカンマや円を入れたら不正解扱い。
解答はパソコンに数字を入力するのですが、
数字にカンマを入れるとせっかく解けた問題も
不正解扱いとなりますので注意して下さい。
カンマなしの数字を入力しようとすると、
エラーが起きる場合があるので、
その時はすぐに試験管を呼びましょう。

●借方・貸方ともに一つの仕訳で入れられる勘定科目は一つ
各設問につき、同じ勘定科目を借方・貸方の中で2回使用すると、
不正解扱いとなりますのでこちらも注意して下さい。

紙試験と勝手が違うので、ぶっつけ本番で挑むのではなく、
事前に何らかのシミュレーションしておくことをお勧めします。
その他諸々について、ご自身で情報収集をされてみて下さい。

直前期〜試験前日

試験まであと1週間の直前期に入ったら、
もう新しい問題を解くのはやめた方が良いかと思います。
今ある問題を繰り返し回して自信につなげましょう。

毎日、何時間も勉強に打ち込んで来たのですから、
心身ともに弱っているかもしれません。万が一、
直前に倒れて試験を受けられなければ元も子もありません。
体調管理も意識するようにして下さい。

そして、大問ごとの目標点を決めておきましょう。
これはあくまでも私の場合ですが、
・第1問の仕訳問題は落とさないように8〜9割は取る。
・第4問、第5問の工業簿記で9割〜満点を目指す。
・難易度が不明な第2問と第3問は7〜8割を目指す。
※ただし、株主資本等変動計算書が出たらこれは取りに行く。
・これは難しくて解けないと感じたらすぐに他の大問へ逃げて
解ける問題から先に解くようにする。
といった感じです。
それぞれ得意不得意はあると思いますので、各目標点は
ご自身で設定して下さい。

これまでの長い道のりを超えてきた
自分に自信を持って、リラックスすることを意識して下さい。

前日は、自分の解ける問題をざっと流して、自信につなげましょう。
持参するものに漏れがないか、今のうちに確認し準備していて下さい。
夜は緊張して眠れないかもしれません。ヒーリングBGMを流すなどの
睡眠対策もしておきましょう。

試験当日

いよいよ試験当日となりました、忘れ物はありませんか?
これまで頑張ってきた自分に自信を持って、
リラックスして臨んでください。

会場までは自分で運転するのではなく、
早目に家を出て公共交通機関を利用するのがお勧めです。
会場近辺に到着するギリギリまでおさらいができるからです。
必ず参考書類も持って出るようにしましょう。

到着したら、会場近くで勉強できるスペースで最後のおさらいです。
スタバなどがあればベストですね。
ざっと教材を読み返して、あとはリラックスして、
集中力を高めた後に会場へ向かって下さい。
ちなみに私はめっちゃ深呼吸してました笑。

紙試験であれば試験開始直前に試験官の指示があるので
それに従います。
ネット試験は自分のタイミングで開始できます。
いずれにしてもパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、
頑張って下さい!

試験終了後、紙試験は結果が出るのに2週間ほどかかりますが、
ネット試験だとその場で結果が出ます。

終わりに

今回は日商簿記2級の徹底攻略についてお話ししました。
私が2級を受験した時の経験をもとにしていますが、
果たして参考になったのでしょうか笑。

確実に言えるアドバイスは、
工業簿記を制すること、
演習問題・過去問を何度も繰り返し解くこと、

これに尽きると思います。

本気で簿記2級合格を目指すのであれば、
心身ともに疲労するぐらい長時間の学習をする必要があります。
本当に地道な努力を積み重ねてたどり着ける資格だと思います。

だからこそ、ずっと頑張ってきた皆さんには合格してほしい、
合格した後は税理士や会計士、簿記1級など様々な選択肢が
あり、それぞれの道にステップアップして欲しいと思います。

簿記2級取得はゴールではありません。難関資格ではありますが、
無理矢理にでも自分の成長の通過点と捉えていきましょう。
そして大事なことは、資格を取得するために得た知識を
実務に活かすこと。
少なくとも簿記2級を一通り終えただけでも様々な業種の実務に
役立てられることだと思います。

今回の内容で簿記を始めようか、再開しようか迷っている人が
2級合格に向けて本気で取り組む気持ちになってもらえると幸いです。

数え切れぬほどの夢を、僕らに。
不可思議デイドリームでした。
またお会いしましょう。

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